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126 休み上手は仕事上手 Work well and rest well

こんにちは、答志島のいがちゃんです。さて、史上最大の大型連休が目前に迫っていますね。遠くへ旅行に出かける人、帰省する人、中々手がつかなかった模様替えや片付けにいそしむ人、溜まった録画を消化する人、ひたすら寝続ける人、様々な連休の過ごし方があるでしょう。ここ、答志島ではどんな感じかと言うと、漁師さんたちは最大3連休の飛び石連休になり、旅館の人たちは休み無しで働きどおしになる見通しです。今日はそんな答志島の働き方や休み方について紹介します。

きっちり休む

答志島に来たばかりの頃、島の人たちの働き方や休み方はとても新鮮でした。まずはしっかり休憩を取る習慣があるということ。

 

複数人で集まって1日仕事をするときには、必ず10時、お昼、3時に休憩を取ります。わかめや海苔の養殖業者さんは、お手伝いやバイトの人を雇って仕事をしてもらうので、休憩時間の為におやつと飲み物を用意しています。和具のわかめ業者さんは10時のおやつにタコ焼きを用意することが多く、タコ焼きを作っているお店は作業している場所までバイクで配達する、というのがお決まりの光景です。

わかめをパーツごとに切り分ける人たち
わかめ作業の様子

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わたしは以前の職場では、お昼に1時間、午後に30分の休憩があり、結構休ませてもらっているという印象がありました。接客仕事のわたしたちは意外ときっちり休憩があったのですが、事務方の人たちはお昼しか休みがありませんでした。鳥羽市役所の職員さんたちを見ていてもお昼休みしか決まった休憩時間がありません。

網袋に入った缶コーヒー
休憩時に飲む缶コーヒーをわかめを茹でる釜で温めておく

この2時間ごとの休憩の習慣は、都市部でも建築、工事現場の人たちが採用していますよね。人間の集中力って大体2時間程度で切れてしまうので、事故を防ぐためにも、パフォーマンスを維持する為にも有効なんだと思います。答志島の働く人たちもこれをしっかり分かっていて、休憩を取る習慣がしっかりついているんだと思います。また、休憩時間はお菓子を食べて、コーヒーを飲んで、おしゃべりして楽しく過ごすことで、コミュニティの活性化にも役立っているんじゃないかな、と思っています。

 

休み無しで働くことも

しかしその一方で、全くオフの日無しで働く、という習慣もあります。例えば最初に書いたように、大型連休は旅館にとってはかきいれどき。ここで1日でも休めば大きな損失になってしまいますので、絶対に休業などできません。なので、10日だろうと20日だろうと、お客さんがいる限りは働き続ける、という状況になります。

船の上で作業する人たち
収穫したクロノリを袋に詰める作業

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海苔、わかめ、牡蠣などの養殖業も同じで、限られた時期にしか、収穫、加工、出荷ができないため、その時期には休みは無くなります。天候が悪くて海に出られなくても納屋の仕事があるし、1日休んだしわ寄せを思うと、とてもじゃないけど休んでいられない、という状況なのだそうです。

漁師さんの働き方

養殖以外の仕事をしているときの漁師さんたちはどうか。漁師さんたちが水揚げをする市場は、週に1~2日決まった休みがあります。昔は天気や波の状態が悪いときに休みができるだけで、決まった休みは無かったそうですが、時代の流れで毎週土曜日が休みとなりました。今は更に火曜日も定休にする方向に向かっています。

市場の入札の様子
答志の市場

ですが、市場の休みの日が必ずしも漁師さんにとっての休みになるわけではありません。それには2つの理由があります。

休業日は休みの日では無い

まず、しなければならないことが際限なくあることです。漁法によっては、前日から仕掛けをしなければならないため、たとえその日に水揚げをすることが無くても、次の日の水揚げの為に船を出さなくてはならなかったり、普段漁に行っているときにはできない道具の手入れやエサの準備などをしなければなりません。いつもより朝寝坊できたり、力仕事が無かったりしても、まるっと1日休めないのは、わたしだったらとてもストレスに感じそうです。

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もう1つが、漁師以外の仕事でかり出される機会が非常に多いこと。例えば学校行事。運動会だったり、学校の草刈りだったりと、漁師さんの休みに合わせて土曜日や火曜日に行われます。こういった行事も参加するのが当たり前、という共通認識なので、適当にサボったりすることも無く、みんな働きます。町内会やその他の活動においても人が集まりやすい日に設定してあるので、漁が休みの日が必ずしも身体を休められる日では無いのが現状です。

保小中合同運動会の綱引きの様子
運動会の綱引きは外せない

こうやって書いてみると、漁師さんにしても旅館の人にしても、島の人たちってとっても忙しい生活をしているなあ、って思います。その合間に、子どもの世話や家事や、必要な物の買い物なんかもしなければならないわけだし。それでもなんか上手に休んだり息抜きしたりはできているみたいなんですよね。次の日休みだぞっていう夜にはスナックが賑わうし、旅行に行くぞってなったら盛大にハワイ(昔はベガスとか聞いた)とか行っているし、休日が忙しい旅館の人も平日に空いている所で遊べていたりするし。

横断幕を持つ漁師さんたち
海産資源の管理を啓発する小学生たちのパレードにも休業日の漁師さんたちが参加

あとは何と言っても、こうやってたくさん働ききった後おじいさんおばあさんになると日がな一日夏は涼しい所、冬は暖かい所に集まって遊んでいたりするのが、ちょうどよくバランスを取っているってことなのかな、とも思います。

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