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144 神祭初舞台!! It's first time I'm on the stage during Jinsai!

こんにちは、答志島のいがちゃんこと五十嵐ちひろです。今年も島最大のお祭り、答志地区の神祭が盛大に執り行われました。神祭を見るのは3回目ですが、わたしにとって、最も思い出深いものとなりました。なぜなら、神祭の初舞台に立つことができたから!

 

去年(2019年)の神祭の演芸の様子はこちら ⇒ 芸達者な答志人

 

傘を肩に乗せる白波の後ろ姿
「志ら浪」と書かれた傘を持って登場

実は、以前は役者志望で演技の勉強をしたり舞台に立ったりしていたので、神祭の演芸で芝居に出られたらいいなあ、って前から思っていたのです。なので、文化保存会からオファーがあったときは二つ返事でOKしました。女の人は踊りで出ることが多いから、なかなか難しいかと思っていたのですが思いのほか早く叶っちゃいました。

せりふを言ういがちゃん
いがちゃんが演じたのは赤星十三郎

上演したのは「稲瀬川勢揃いの場」です。歌舞伎「青砥稿花紅彩画(あおとぞうしはなのにしきえ)」通称「白波五人男(しらなみごにんおとこ)」の中の特に有名な場の一つで、神祭でも頻繁に上演されている演目なので、答志の人たちには「白波」と言えばすぐに通じます。 

 

練習の様子についてはこちら ⇒ 神祭の舞台に立ちます!

「特別出演」のプレッシャー

手描きの色鮮やかなポスター
「特別出演 五十嵐ちひろ」と書かれたポスター

練習ではほとんどせりふを間違えたことが無かったのですが、ポスターに書かれた「特別出演 五十嵐ちひろ」は少々プレッシャーです。隣で忠信利平を演じているやいちさんは、ほぼ毎回どこかしらせりふを間違えていて、それでもわたしがトチらないので、文句を言っていましたが、本番に強いやいちさんが完ぺきにこなして、わたしが本番で頭真っ白ということもあるかも!?と思うと、本番にせりふが出てこない・・・!と焦る夢を見たりもしたのでした。

紫の地に龍の模様の入った着物
やはり本番ではばっちり決めた忠信利平役のやいちさん

実はプレッシャーを感じていたのはわたしだけではなく、他の出演者も同じだったようです。弁天小僧菊之助を演じた文化保存会会長のムネさんを始め、多くの出演者には「五十嵐さんに特別に出てもらうからには、恥をかかせないようにちゃんとした芝居をしなくては!」という気持ちが少なからずあったのだとか。

菊の花の模様が入った紫の着物
弁天小僧菊之助を演じるムネさん

本番前

わたしたちの出番は15時25分の予定でしたが、まずは12時30分に集合します。神祭が開かれるじんじの舞台の向かい側にある憩いの家の中の一室を毎年借りて、ここで本番前の準備をします。準備とはいっても身支度や練習ではなく、気持ち(アルコール摂取的な意味で)の準備です。わたしは練習のときはしらふか少し飲んでいるくらいの方が調子が良かったので、缶チューハイを飲み切らないようにしました。

支度場でイスに座って化粧をしてもらう人、後ろで順番を待つ人
羽二重をつけて、化粧をします

そして出演時間の90分前には支度部屋に入ります。神祭では、プロ向けの衣装屋さん、東京衣装の方に来てもらい、衣装の着付け、ヘアメイクをやってもらいます。

いがちゃんとカジトシさん
化粧中の自撮り

衣装の着付けやメイクは御木曳の舞台のときもやってもらったのですが、今回はかつらもつけます。かつらをつける前に頭につける羽二重をするのは初めて。

 

御木曳の演芸の様子はこちら ⇒ 御木曳の前日

殺陣でペアを組んだ取手役の之喜さんと舞台裏での自撮り
殺陣でペアを組んだ取手役の之喜さんと

着物を着て、かつらをつけて、小道具を持って舞台裏に控えているとだんだんと緊張してきます。小道具の傘が想定していたより3倍くらい重たくて、軽くパニックになりました。「前回同じ演目を上演したときは練習で使う傘よりも軽かった」と聞いていたのですが、練習の傘よりはるかに重い。登場シーンで傘を前に突き出すのは片手でできそうになかったので、捕手役の之喜さんにアドバイスをもらって急きょ両手で持つことにしました。

花道に立つ日本駄衛門
主人公日本駄衛門を演じるカジトシさん

文化保存会の女性部の踊りの演目が終わったら、舞台転換の間にマイクのチェックをします。ちなみに、音響を勤めるのは青年団の面々。団員のうちの何人かは祭りの重要な役「七人づかい」についていて、かなり人数の少ない中頑張っていました。

舞台裏で待機する人たち
舞台裏は結構広くて、しゃべっていても平気

いよいよ本番

舞台への入場が花道からのため屋外を移動するのですが、あいにくの大雨。濡れないようにと気を付けながら花道の袖へ向かいます。さっきまで舞台裏で寒い寒いと思っていたのに、あまり寒さは感じません。アドレナリンが出ているのでしょう。その代わり、口の中がカラカラに乾いています。せりふの途中にむせてしまわないか、不安になりながら舞台に立ちました。

見得をきる南郷力丸
南郷力丸を演じた山口さんは、本番2週間前に急きょ配役が決定しました
紫の地に鶏の描かれた着物
かつらがきつくて痛かったのも本番中は感じません

白波五人男はまず花道に一列に並びます。桟敷席で誰かが手を振っているのが見えますが、幸い顔は分かりません。目が悪いからか、照明が明るいからか、緊張しないように脳がリミッターをきかせているのかわかりませんが、客席に入る人の顔はまるっきり判別できませんでした。笑

 

↓↓本番の様子はこちら↓↓

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事前に「ヤジは飛ばされるやろけど、それも一興やから気にせず頑張って」と言われていましたが、ヤジもまた心強かったです。内容まではちゃんと聞こえなかったけど、応援してくれているのが感じられました。動画の最後にも「上手い!!」というヤジが聞こえると思います。

三味線と拍子木
拍子木をたたいたのは靖導さん、横では伊勢古市歌舞伎保存会の方が三味線を弾いてくれます

舞台の上では、遠くに目線をやっているとすぐ横に監督を務めたヤスシおじの姿が見えたので、安心して演じることができました。元々短い演目ではありますが、本番は特に、始まってみたらあっという間でした。でも楽しかったです。2年間、客席で見ていた神祭の演芸、舞台上から見る楽しさはまた違いました。

 

文化保存会の演目は1日目だったのですが、この日も次の日も会う人会う人に「いがちゃん上手やったよ」「声がええなあ」と褒めてもらいました。

上演後に舞台裏で撮った集合写真
集合写真を額に入れてもらいました

本番も練習も、とても楽しかったです。ずっと毎晩練習してきたから、これからは練習が無いのが少し寂しく感じそうです。地域おこし協力隊として答志島に移住し、任期が終わるちょうど3年目の節目の年に、神祭の舞台に立つことができて、本当に嬉しいです。貴重な機会を作ってもらえて、ありがとうございました。

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コメント: 3
  • #1

    ねぇ~ね (水曜日, 26 2月 2020 17:10)

    見得をもっと切るかと思ったよ(笑

    無事終わったら良かったね!

  • #2

    ○○ (火曜日, 03 3月 2020 10:05)

    カジトシの孫です!!

    1番前でカメラ撮りながら見てました!!!!!

    上手でした〜��

    お疲れ様でした~〜!!!!!

  • #3

    いがちゃん (火曜日, 03 3月 2020 15:53)

    ねぇね
    無事終わって良かったです。

    ○○さん
    トシさんに動画送ってもらいました!ありがとうございます!!