· 

165 秋の答志島ってどんなだった? Toshijima during Autumn

ご無沙汰しちゃっています。答志島のいがちゃんこと五十嵐ちひろです。ブログに限らず、島で歩いていると「おったんか」とめっちゃ言われる。「見かけないということはいなくなったんだ」と思われるのは移住者の宿命らしいです。

 

現役の地域おこし協力隊だった頃は、とにかく目についたものは写真や動画を撮ったり、「これってなんですか?」って人に聞いたて回ったりしていたのですが、最近は全然写真が増えない!むしろ島の外に出たときの方が景色や食事の写真を撮っているぐらいなんですよね。それぐらいわたしにとって、島での暮らしが物珍しいものではなくなったことの証左ではあるのですが。また、コロナ禍で行事がことごとく簡素化・中止されている影響もあります。

 

そこで、移住してから5度の秋の間(9〜11月)に撮った写真をチェックしてみて、本来秋の答志島ってどんなだったかな、っていうのを紹介したいと思います。

保育所、小学校、中学校の行事

保育所、小学校、中学校の合同運動会は、答志と和具の人たちみんなにとってのお祭りみたいな行事。保育所の子達のかけっこでは「〇〇(屋号)の△△(名前)です」という自己紹介がとってもカワイイ。大人のチーム対抗綱引きはガチンコ勝負だし、小中学生による「世古別リレー」は毎年大盛り上がりします。わたしも「和具行けえーーーー!!」とムキになって応援しちゃいます。

 

運動会の様子を紹介したのは⇒答志はスポーツの秋

かけっこする黄組さん
保育所の子たちのかけっこ
綱引き
大人のメインイベント・綱引き
トラックを走る中学生と声援を送る観客たち
大盛り上がりの世古別リレー

中学校の文化祭では、合唱や職業体験の発表、美術作品の展示なんかがあったりします。また、答志の老人会からしめ縄の作り方を教わったりする時間もあって、ご老人のみなさんは「やっぱりどこどこの家の子は筋がええなあ」なんて言ったりして楽しんでいるようです。

 

文化祭の様子を紹介したのは⇒答志中学校は文化の秋

スライドを使った発表
職業体験の発表
港の絵など
写生会では答志島の景色を描きました
しめ縄作りをする男子中学生たちとおじいさん
老人会のおじいさんたちとしめ縄作り

ロードレースと呼ばれる持久走大会もこの時期の行事。中学生は個人種目に出る子と、リレー方式の種目に出る子とに別れて、小学生は2学年ごとに個人で、公道を走ります。朝「今日はロードレースが開かれます」と放送がかかるので、沿道には応援する人たちが集まります。

 

ロードレースについて紹介したのは⇒雨の中のランナーたち

スタートラインに立つ中学生たち
いちについて、よーい
走る小学校低学年の子たち
元気にスタートダッシュ!

小学生の鼓笛隊による防火パレードもあります。道が狭く、軒が重なるようにして家が建っている答志島では、1つの火災が大災害になりかねません。乾燥し、風が強くなってくる時期になると、子どもたちが防火を呼びかけるパレードをします。

太鼓をたたきながら行進する小学生たち
楽器を選ぶときはオーディションがあるらしいです
法被を着た小学生たちの後ろ姿
みんなで「防火」と書かれた法被を着ます

漁師さんたち

大体9月の最後の週あたりに海苔の養殖業者さんたちによる種付けが行われます。とにかく人手が必要なので、子どももできる仕事はするし、親戚総出の作業になります。漁師さんの仕事って海任せなイメージを持っている人もいるかも知れないけど、顕微鏡や温度計を見ながら、無駄の無いように進めていくのを見ていると、養殖って化学だなあ、と感じます。

 

海苔の養殖について紹介したのは⇒海苔の“種つけ” 海苔の工場見学ツアー! 半日海苔屋さん体験

温度計を見る漁師さん
陸上に用意したプールに海水を組み上げて、温度を測ります
水槽の中に網を運ぶ人たち
早朝から夕方までの作業が2〜3日続きます

桃取の牡蠣の養殖業者さんでは10月くらいから出荷が始まり、また次のシーズンの準備もします。よく牡蠣が食べられるのはerのつく月って言いますが、桃取のブランド牡蠣「桃こまち」は年明けくらいが身の大きさ、潮の含み具合もちょうどいいので、わたしはその時期に買ったり人に送ったりすることが多いです。

焼き牡蠣
まだ少し小ぶりな時期の桃こまち
ホタテ貝の殻に穴をあける人、ロープを通す人
穴を開けてロープで繋いだホタテ貝の殻の上に牡蠣は育ちます

伊勢志摩全体での伊勢海老漁の解禁日は毎年10月1日ですが、離島では一足早い9月15日頃に解禁となります。お歳暮やおせちでの需要が高まるため、年末にかけてどんどん値が上がっていきます。残念ながら、今年は例年に比べて水揚げが少ないんだとか。

カゴに乗った大きな伊勢海老
伊勢海老は生命力が強いので新聞紙に包んで常温で送れます
伊勢海老の出荷風景
威嚇するときのジジジーッ!!という音が慣れないとこわい

和具を中心にブランド化された「答志島トロさわら」のシーズンも秋から冬にかけてです。「トロしかんまい(マグロのトロよりも美味しい)」と言う漁師さんたちの言葉から生まれた答志島トロさわら。一本釣りで漁獲されたことや、脂肪含有量が10%以上であること、サイズ、締め方などに厳格な基準が設けられていて、それをクリアした個体のみが「答志島トロさわら」のブランドタグをつけて出荷されます。段々と知名度も高まってきているので、もしかしたら東京なんかでも見つけることができるかも知れないですよ。

市場に並ぶ細長い発泡スチロールと「答志島トロさわら」ののぼり
これ全部1本釣りのさわらです
さわらの顔
さわらってこんな顔
答志島トロさわらのタグ
基準を満たした個体にはタグがつきます(※タグの形は最新のものではありません)

その他の行事

敬老の日には、町内会の主催で老人会の人たちをもてなす行事があります。お祝いのお弁当やお酒が用意され、老人会メンバーによる歌や踊り、保育所の子たちの踊りや太鼓が披露されます。初めて和具の敬老会を手伝ったときに、和具のおばあさんたちも踊りやるんだな、と驚いたのもいい思い出。

 

敬老会について紹介したのは⇒長生きしてーな

みんなの前で踊るおばあさんたち
和具のおばあさんたちによる踊り
紅白幕に囲まれて飲み食いするご老人たちと舞台でカラオケするおじいさん
答志の敬老会
老人たちの前で踊る子どもたち
子どもたちの踊りに目を細めます

島には色々な団体があり、みんなが大体金曜日に忘年会を開くので、12月だけでは日数が足りず、文化保存会の忘年会は毎年11月の末に行われます。カラオケや女性部による踊りなど、ハイクオリティな出し物があり、答志島の歴史や文化に詳しい方達と同席できるので、とっても勉強になるんです。

会食する文化保存会メンバー
島の人たちが旅館で宴会するときは肉料理が定番です
話になって踊るご婦人たち
鳥羽から招いた踊りの先生に教わりながら

さらに昨年は美多羅志神社の宮立ちもありましたね。これは20年に1度の行事でしたが、未だに続くコロナ禍の中で縮小したとはいえ、開催できたのは本当に良かったなあ、と思います。

 

後遷宮について紹介したのは⇒後遷宮の3日間

船に掲げられた大漁旗
大漁旗でお祝い
袴や裃姿の男性の行列
奉納される物が行列を作って運ばれました

こうやってあげてみると、秋の答志島って結構イベントや見所があるんですよね。一時期と比べると観光客の方も増えている感じがするし、冬の答志島も美味しいものや珍しい景色に溢れていますので、旅行の計画を立ててみてはいかがでしょうか?