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147 地域おこし協力隊卒業 I served out my term of Local Vitalization Cooperator

こんにちは、答志島のいがちゃんこと五十嵐ちひろです。昨日はわたしにとってちょっと特別な日でした。なぜなら、地域おこし協力隊を卒業したから。

未知の島へ移住

わたしが答志島に移住してきたのは、2017年4月21日。下見と面接で2回来ただけの、縁もゆかりもないこの島に単身で住み始めました。市役所の移住定住係や、町内会の人たちの手を借りて、あっという間に引っ越しが終わってしまってびっくりしたことをよく覚えています。

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Mi sono innamorata di questa isola. #port #神事 #三重 #boat #blue #island #離島 #答志島 #toushijima #島の旅社 #lovethis

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上のインスタは初めて答志島に訪れたときに投稿したもの。

 

翌週の月曜日4月24日が、地域おこし協力隊として初めの日になりました。最初のうちは毎日市役所に通っていました。市役所の色んな課にあいさつに行くと、どこでも必ず答志島出身の職員の人がいました。鳥羽市の人口の割合を考えれば市民10人に1人は答志島の人なので、当然のことだよなあ、と思いました。

 

わたしは、市民団体やNPOなどに所属せず、「町内会預かり」という立場で地域おこし協力隊をやってきました。和具の町内会長がわたしの後見人のような感じで、他の町の町内会や漁協や老人会に紹介してくれたり、町を案内してくれたりしました。地域おこし協力隊として、最初の1年のミッションは「島に馴染むこと」だったので、とにかく島の中を歩き回り、出会った人に話しかけたり、行事があれば積極的に参加したりして過ごしました。

網を直すおばさんとおじさん、そして網をクッションのようにして横たわるおじさん
こういう風景がものすごくいいな、って思った。

ブログでの発信

周囲の人から、「移住者の目線で見た答志島のことを早いうちに記録に残した方が良いよ、変わった生活様式や風習も、だんだんと自分にとっても当たり前になって新鮮に思えなくなってしまうから」というアドバイスがあって、就任後2ヵ月くらいでこのブログを始めました。おかげさまで定期的に訪問して読んでくれる方が多くいて、いまも続けることができています。

 

人気なのは、島の暮らしがわかるような記事。例えば、大きな一軒家に一人暮らしとか車を持たない田舎暮らしです。他には、答志弁講座シリーズ、そして答志島最大のお祭り、答志地区の神祭についての記事です。

関係人口の増加

移住者として、更に移住者を増やす、または移住まではいかなくても島に関わってファンになってくれる人を増やすために、島女子会を始めました。イベントの企画なんて生まれて初めてしたけど、島の女性たちと手探りで、でも楽しみながら計画した都市部の女性と交流する催しは、答志島で3回、大阪で2回の計5回を成功させることができました。

海と女子たち
1回目の島女子会の様子。

また、わたしの友人や家族が島に来たり、わかめや海苔、牡蠣などの特産物を好んで買ってくれたりしているので、島のファンは着々と増やせていると思います。

様々な行事

答志島を語る上で、答志地区の神祭の説明は欠かせません。島の外へ出て自分の住む所を紹介する際にはよく神祭の話をしましたが、4月から住み始めたわたしは、長いこと実際に神祭を見ることなくその説明をしていました。2018年の2月に初めて本物の神祭を見たときはとても感動しました。みんながわくわくして3日間を過ごす雰囲気、迫力のある神事、やっぱり答志島って面白い!と感じました。そして、これでやっと神祭のことを自分の言葉で伝えられる、と少し安心もしました。

顔に墨をつけたいがちゃん
2度目の神祭では顔に墨をつけられました。

もちろん神祭以外にも興味深い行事はたくさんあります。和具のお盆には精霊舟を海に流します。普段は港内はゆっくり走る漁船がこの時だけは、ホースビーと呼ばれる猛スピードで出航していくのをみんなで見送ります。桃取の弓引き神事では、矢が的の真ん中に当たる大当たりを見ることができました。伝統行事以外にも、保育園小学校中学校の合同運動会や、一晩中音楽を楽しめるイベントwideloop in 答志島なども毎年参加して、島民として楽しみました。

子どもたち
2017年の運動会で和具世古を世古別リレーで2位に導いたチーム。

また、一番印象に残っている行事はなんといってもお木曳です。20年に1度のお祭りの場に立ち会い、島の人たちが力を合わせて素晴らしい祭りにしようとする姿や、実際に素晴らしい祭りになっているのを見て喜ぶ姿を見て、答志島に来て本当に良かったと強く感じた、あの感動は一生忘れないと思います。

お木車と音頭取り
最高に感動した御木曳。

ロケの受け入れ

2年目からは、旅館の人たちなどと協力して、答志島ロケーションサービスという団体を作り、ロケの受け入れを始めました。5月に公開予定の太陽は動かないという映画の撮影にも協力しています。

結婚しました

いつかブログに書こうと思いながらずっと書きそびれていたのですが、昨年10月に結婚しました。夫とは移住後に知り合い、結婚してからは2人で一緒に和具に住んでいます。1人で済むには大きすぎた家も、2人になって少しちょうどいいサイズに感じ始めました。(それでもまだ何部屋も余っていますが)

 

移住した先で素敵なパートナーを見つけられただけでなく、その相手が島外から引っ越して一緒に答志島に住んでくれる人だったので、移住はわたしの人生において大きなプラスだったと思います。グッジョブ3年前のわたし!

起業に向けて

活動期間中には様々な研修・講座にも参加しました。地域おこし協力隊向けのものもあれば、一般の人と一緒に受講するものもありました。特に2年目には、卒業後に起業することを視野に入れて、起業関連の研修をいくつか受けました。島にはあまり仕事がありません。移住する前から、自分のスキルを活かして楽しんでやれる事業をなにかやりたいな、と考えていましたが、事業の起こし方や続けていくためのノウハウを学ぶうちに、観光にかかわる仕事をしたい、という気持ちを強めていきました。

 

2018年12月からは、鳥羽で現地ツアーをしている海島遊民くらぶでインターンシップを始めました。町歩きや、カヤック・シュノーケリングなどの自然体験、釣りなど様々な体験ツアーを提供する会社で、ツアーをする上で必要なことを、実践を通して、また講習を受けて学びました。その中で、自分が答志島で行うツアーの企画を進めました。

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島の旅社にも島の観光の為に必要なことをたくさん教わりました。

 

そして、語学のスキルと、答志島に実際に暮らした3年間の経験を活かし、外国人向けのツアーを作りました。じんじろ車を押しながらの路地散策や、商店での買い物、島の人たちとの交流、家庭料理作りを通して、答志島での生活を感じられるツアーです。ツアーを通して、わたしが実際に3年間住んで感じた答志島の暮らしの良いところを存分に伝えたいと思っています。

じんじろ車を押しながら路地を歩くお客さんといがちゃん
外国人モニターツアーをしました。

地域おこし協力隊としての任期は終わりましたが、これからも答志島に住み続けます。ブログでの発信も続けます。移住したばかりの頃、ふと「ああ、わたしって離島に住んでいるんだな」と思うことがありました。なんだか現実感が無いような気分になりながらの日常生活は不思議な感じで、うまく言葉には表わせないのですが、確実に言えるのは今はもうそんな感覚にはならないということ。離島に暮らすことがわたしにとって当たり前になりました。

 

答志島がより魅力的な島になるように、自分の手の届く範囲のことを頑張りながら、普通の島民として日常生活を送っていきたいです。 島のみなさん、市役所の方々、このブログを読んでくださっているみなさん、3年間ありがとうございました。そしてこれからもよろしくお願いします。

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コメント: 3
  • #1

    ねぇ~ね (水曜日, 01 4月 2020 23:14)

    お疲れさまでした。
    まさか本当に移住してまうなんて!!
    必ず遊びに行きます!

  • #2

    私の地元 (木曜日, 02 4月 2020 04:54)

    ちひろさんはじめまして。いつもブログ楽しみに見てました。私の実家も答志島です。ちなみに答志の方です。さんでの底周辺です(笑)結婚おめでとうございます。幸せになって下さい。私はもう何年も答志には帰ってないけどちひろさんのブログ見る度にこんなに島も変わったんだなぁと思いました。またたくさんブログ更新して下さいね。

  • #3

    川合敏夫 (木曜日, 02 4月 2020 06:43)

    イガちゃん、ご卒業&結婚おめでとう�✨�✨�
    一緒に起業塾を受講して 素敵な賢いチャーミングなイガちゃんのファンになりました。
    私も地域創造にどっぷりと生まれた時から(笑)関わってるけど、半世紀生きて地域の成長はまさしく己の成長だと言い切れます。
    これからも末永くヨロクク&お幸せに
    イガ=伊賀 (笑) 親近感感じるわ�