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096 お盆の準備 Ready for Bon

こんばんは、答志島の移住者五十嵐ちひろです。まもなくお盆になりますが、わたしは今年も帰省はせず、島におります。島のお盆は、やる人にとっては面倒の多いことなのでしょうが、わたしのようなよそものにとっては、強い興味の対象です。

墓そうじ

お盆自体は13日からですが、お盆の準備が昨日6日から始まりました。お盆の準備は墓そうじからです。

 

6日の朝には墓そうじをします。盆の決まりとして、なんでも初盆の家が最初にやることになっています。なので、初盆の家の墓そうじが済むと、他の家の人たちもそうじを始めます。

和具の墓(盆時)
初盆の家の墓にはアーチみたいなものが設置される。

島の墓は普段からみんなそうじしているので、とてもきれいです。大体朝6時半とか7時とかに行くとそうじする人で賑わっていて、ちょっとした社交場になっています。なので、改めて墓そうじと言っても何をするのかは謎なのですが、墓そうじすることになっています。普段から仏花も飾ってありますが、それを新しいものに替えたり、いつも以上に念入りにそうじしたりしているのでしょう。墓そうじと言えば、島のお墓の前を通るときに、夜でも全然怖いと感じないのは、毎日生きた人が出入りしているのを見ているからなのかなあ、と思います。

笹舟流し

そしてこの日の夕方に笹舟を海に流します。各家で12艘の舟と12本の櫂を笹で作ります。舟だけでなく、舟を漕ぐための櫂も用意するあたり、港町のリアルさを感じます。舟には幅の広い葉、櫂には細い葉を使うと作りやすいみたいです。

盆に笹舟、櫂、麻を乗せて港へ向かう。
盆に笹舟、櫂、麻を乗せて港へ向かう。

これが夕方になると、港から海に流され、ご先祖様が帰ってくるための足になります。笹舟を流すのは1人で行ってはいけない、という言い伝えがある為、隣近所に声をかけながら港に向かうので、結構にぎにぎしくやります。毎年大体の時間は決まっているのですが、例のごとく初盆の人たちが済んでからでないと流してはいけない為、6時前くらいになると、「もう行っていいのか」「今(初盆の)○○さんが家に入って行ったけど」と言いながら様子見の人たちが道に出てきていたのがちょっと面白かったです。

 

こちらに来るときは笹舟を、あちらに戻るときは大きな精霊舟を使うためか、ここでは精霊馬を見かけません。ちなみに、和具、桃取では笹舟流しは夕方に行われますが、答志ではお昼にします。

 

精霊舟について書かれた記事はこちら ⇒ ご先祖様を乗せて

笹舟流し

笹舟を流すときの流儀はあるのでしょうが、だんだんと簡素化が進んでいるようです。「ご機嫌よぉ帰りされ」と唱えながら流している人もいましたが、ごくわずかでした。流し終わったら、笹舟を乗せてきた盆を潮で清め、麻(お)も潮でしめらせて家に帰ります。潮が引いていると水面に手が届きませんから、堤防にぶら下がっているロープを手繰ってチョンチョン、とする人が多いです。笹舟も時間があるときに作っておいて、当日まで冷凍しておく家庭も結構あって、下手に昔ながらのやり方にこだわるより、現代の生活様式に則ったやり方でやる方が、よっぽどいいと感じます。「横着して昔ながらのやり方をまげるな」と言われるのが嫌で完全に止めていくより、できる形でやる方が結果的には続けていくことができますから。

 

笹舟を流した後に潮でしめらせた麻は、家の中には入れず、玄関先に置いておきます。これは、盆の最終日に流す精霊舟に載せるものを括り付けるために使います。

玄関先の麻
麻は家の中に入れる人もいるけど、外に出して置く人は玄関先に釘を打ち付けてある。

とびこみ団子

今日、7日は、「なのかぶん」とか「なのかび」と呼ばれています。一般的には七日盆(なぬかぼん)と言うようです。この日は、畑に行ってはならなかったり、海女漁が休みになったりするのですが、ばあらに聞いてもなぜかはよく分かりません。海女漁は無いけど、さわら釣りは出ていたし。要は女の人が盆の準備をするために他の仕事を休む日という気がします。

 

 

盆について聞かせてくれたばあらの中に「なのかぶんやし、とびこみ団子でもそなえよか」と言う人がいて、なんなのかと聞いたら、団子は団子でも小麦粉と砂糖と水を練ったものを、煮ているあんこの中に落としたものだ、と言うんです。あんこの中に団子が飛び込むから「とびこみ団子」。いまいち想像が難しかったのですが、ちょうど友だちも今日家で作っていたというので写真を提供してもらいました。

とびこみ団子
とびこみ団子、おいしそう。

なるほど。すいとんで作ったぜんざいだわ。とびこみ団子は盆が終わった後にも作る日があるんだそうです。おいしそうなのでわたしも一度作ってみたいと思います。

 

盆行事が始まるのは13日です。それまでに、初盆の家はちょうちんの飾りつけをします。親戚や寝屋子などの関係の人は初盆の家にお供え物を持って行くそうです。来週は帰省の人たちで溢れ、島は結構にぎやかになるでしょう。盆の最中のこともまた紹介できたらいいなー。

 

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