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043 激しく舞います、おしっさん The lion dance in Toushi

みなさん、明けましておめでとうございます。五十嵐ちひろです。今年も答志島でのあれこれを少しずつ紹介していきたいと思います。世間はぼちぼちお正月モードを脱していますが、答志島ではまだ行事が残っています。今日は獅子舞を見てきましたよ。

獅子のアップ

毎年1月4日の祷屋の日と、神祭(じんさい・八幡神社のお祭り)のときに獅子舞まわしが行われます。答志の獅子はあばれ獅子です。けたたましく鈴を鳴らしながら、足を高く上げて踊ります。大きな魚や一升瓶のお酒、お餅など、なんでも丸のみする力強い獅子は、「おしっさん」と呼ばれ親しまれている存在です。

一升瓶を丸のみ!
一升瓶を丸のみ!

そんなおしっさんをまわす重要な役目の人たちは、十体(じゅうたい)と呼ばれる十人衆です。7人が獅子舞をまわし、太鼓をたたきます。3人は世話人と呼ばれ、進ぜ物を拾ったり、宿(楽屋)の提供をしたりと獅子舞の世話をします。十体は元々は決められた家の人しかできない役でしたが、人口の減少に伴い、現在ではその親戚や、特に血縁関係は無いけれども志願した人などが役についているのだそうです。

笛を奏でる人たちは、進ぜ物を回収したり運んだりするのも仕事だそうです。
笛を奏でる人たちは、進ぜ物を回収したり運んだりするのも仕事だそうです。

獅子舞をまわす際に欠かせないのが、笛と太鼓の音。太鼓は十体の中から1人がたたくことになっていますが、意外にも笛を吹く人は特に決まってはおらず、毎年世話人が周囲の人に依頼するそうです。答志の男の人はみんな笛がふけるってことかしら。ちなみにこの笛の音から子どもたちはおしっさんのことを「ひよひよ」と呼びます。言われてみると「ひーよーひよっひーよーひーよっ」と聞こえてきます。

しかし、そのかわいらしいあだ名とは裏腹に、子どもたちにとっては恐ろしい存在です。大人たちは、縁起が良いので自分の子どもや孫の頭をおしっさんに噛んでもらおうとしますが、これが当然子どもたちには恐怖。ぎゃーっ!と泣き叫んだり、カチンコチンに固まったり。しかもそれを見ている大人たちがみんな大笑いで誰も助けてくれないからね。相当な絶望を味わっていると思います。

しっぽで頭を撫でられるのも縁起が良いのです。うごかなくなったおしっさんのしっぽは安心してさわれます。
しっぽで頭を撫でられるのも縁起が良いのです。うごかなくなったおしっさんのしっぽは安心してさわれます。

おしっさんを恐れているのは、子どもたちだけではありません。この1月4日には丸1日かけて、20カ所近くの場所をまわりますが、その20カ所の中には新築の家の家も含まれます。昨年建てられた新しい家を訪れ、各部屋までまわり、福を招くのです。おしっさんはまわる先でいろんな進ぜ物をもらいます。魚やちりめんじゃこやタコなどが天井からぶら下げられているのを飲み込むのですが、ときどき飲み込んだものを吐き出してしまうことがあります。ちりめんじゃこを床にばらまいたり、茹でたタコを落として畳の上で踏んづけて刷り込んだり。片付けしなきゃならない人たちは悲鳴をあげたいような気持ちになるはずです。しかし、縁起の良いことだから止められない。ジレンマです。大人にとってもなかなかに怖い存在ですね

天井からぶら下げられた進ぜ物。
天井からぶら下げられた進ぜ物。

答志地区内の役持ちの人の家や、新築の家などをまわり、最後に行く先が和具の漁協です。和具地区内でおしっさんが来るのは漁協だけですので、和具の人たちがみんな見に来ます。和具漁協での目玉は、おしっさんがもらった進ぜ物の餅やお菓子をばらまくこと。一度おしっさんが食べたものだから、当然縁起物。我先にと飛びつきます。ちなみにこの餅は七草粥に入れて食べるのだとか。わたしもちょこっともらいました。

和具での獅子舞まわしが終わると、小宴が開かれた後に十体の人たちは答志へ帰って行きます。帰るときは伊勢音頭を歌いながら帰るのが習わし。この伊勢音頭を聞くと、これで正月も終わりだなー、と感じるんですね。

今年はわたしも移住2年生。実りある一年になるように頑張ります!

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コメント: 2
  • #1

    濱口一利 (木曜日, 04 1月 2018)

    獅子の追っかけでした?ね。

  • #2

    いがちゃん (金曜日, 05 1月 2018 14:14)

    一利さん、さも一日密着していたかのような書きぶりですが、実際に見に行ったのは午前中のちょこっとと和具だけだったんですよ。でも楽しかったです。