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045 突撃!隣の離島の祭り!! Visiting Sugashima-island for an interesting festival

こんにちは、たとえ10歳若くとも「鳥羽離島のアイドル」というタイプではない五十嵐ちひろです。昨日は、お隣の島菅島(すがしま)に遊びに行って来ました!

 

鳥羽の有人離島はみなさんご存知答志島の他に、本土に一番近い坂手島(さかてじま)、三島由紀夫の小説「潮騒」の舞台になった神島(かみしま)、そして菅島と合わせて4つあります。ちなみに菅島、神島共に最初の音にアクセントをつけるのがこちらの人の呼び方ですよ。

菅島の弓祭り

昨日菅島に行ったのは、弓祭りを見に行く為です。このお祭りは1年の初めに弓を射り、その年の豊漁豊作を占う神事を行うお祭りです。本来なら旧暦の1月17日に行われるもので、答志島の3集落でも起源を同じくするお祭りがそれぞれあります。菅島の場合、新暦の1月17日の一つ前の土曜日にやるのが慣習のようです。

※ちなみに2018年は桃取:2月11日、答志:2月17日、和具:3月4日となっています。

弓を引く弓子

菅島の弓祭りのメインは、弓子衆による弓引きです。これは神事であるため、神社へ参拝したり、身を清めたりと、それに至るまでには様々な儀式があります。その一部を見せてもらったので、ご紹介します。

弓子と使い

祭りの重要な役割を担っているのが、弓子と使いです。弓子は名前の通り弓を射る人たちです。使いは名前から察するに弓子の人たちを神事の場へ呼び出す使いのようなのですが、「アオフク」とも呼ばれていて、弓子たちの気をそらすことも役目なんだそうです。弓が的に当たらないようにだけでなく、その他事あるごとに、日の丸のついた扇子を持って「ヨーイ!」「ヨーイ!」と囃し立てます。呼び出すのに邪魔するとはこれいかに。ただ、神様にお願いするお祭りでは、神様の機嫌を損ねないように、わざと逆のことをする役割があることが多いので、その類いなんでしょうね。

普段無礼なことできない相手にも絡みまくるっぽい。
普段無礼なことできない相手にも絡みまくるっぽい。

清めの神事

大漁旗の掲げられた港の道を歩いた先の東の浜にて、弓子として弓を射る人たちは身を清めるために、海に入ります。昨日はとにかく風が冷たく寒い日でしたが、みんなパンツ一丁で頭まで潮につかっていました。しかし、使い衆や観衆は盛り上がります。

昼食タイム

途中で昼食の時間があります。ここでは毎年決まった献立の料理が出されるそうです。これらは婦人会の役員の人たちが作ります。いつどこで見ても、婦人会という団体はキビキビと動きが早くて仕事があっという間ですよね。

弓子と使いは敵同士なので、同席しないようです。
弓子と使いは敵同士なので、同席しないようです。
味ご飯、みそ汁、刺身、たくあん。
味ご飯、みそ汁、刺身、たくあん。

祭り会場に入る

さて、舞台は弓引きの会場へと移ります。弓子の人たちは、草履を脱いで参道を歩きます。せっかく清めた身体なので、外を歩いた草履のままでは入れないんですね。裸足で歩く人たちが足を怪我しないように、砂が盛られているんですって。

参道の真ん中にだけ盛られた砂の上を歩く弓子。手前には草履。

メインイベントの前に、「ダシ」と呼ばれる出し物が2つあります。一つは子ども神輿と踊りです。「わっしょいわっしょい」と保育所の子たちが神輿を担いでが入った後、踊りを披露しました。多分コレ、昔からずーっと同じ演目です。答志でもあります、保育所の子たちが踊ると言えばこの曲、っていうやつ。島出身の人たちはみんな踊れるという。

島の人は全員どこの子か分かる。
島の人は全員どこの子か分かる。

そして次が本ダシ。3人の役者が忠臣蔵の一幕を演じるのですが、役者はなんと中学生です。旬なお笑いネタや、地元の人には大ウケの家業ネタなどを盛り込みながら演じます。最後はお決まりのオチで会場は大盛り上がり。

弓引き

弓引きの始まる前に、呼び込みという口上が行われます。使いの長である「使い頭」が神事の開始を促し、弓子を束ねる「汐張り」が、それに答える形で口上が済むと、いよいよ弓引きの開始です。

右手で扇子を掲げているのが使い頭。
右手で扇子を掲げているのが使い頭。

弓引きは3人ずつ2組に分かれて行われます。裃姿の男たちが、型で動くのって眼福ですね。ちなみにこの弓は毎回新しいものを作るのだそうです。約10mほど先にある的に狙いを定める弓子。最初の矢が当たると会場は大盛り上がりです。

矢は1人2本射ります。1本ずつ射った後にもう1本ずつ。それが済むと一旦控えの場にもどり、その間に矢取り親子と呼ばれる矢を管理する大人1人と子ども2人が、矢を拾って弓子に返します。矢取り親子の親は、矢が当たったかどうかの判断をし、当たると長い棒の先に白い紙のついたものを振ります。子どもたちは矢を返した後には必ず「仕事をちゃんとしたので褒めてちょうだい」と口上を行うんです。かわいい。

弓取りの子。
弓取りの子。

矢を射るのはまず、2巡します。この間になかなか矢が当たらない弓子がいると、その母親やお嫁さんやおばあさんは、神社にお参りに行って、矢が当たるようにお願いするそうです。わたしが見ていた場所の近くにいたおばあさんも、途中で抜け出して神社に行っていました。

 

途中代参の宮参りとかもあるけれど、弓引きの順番自体はこんな感じ。
途中代参の宮参りとかもあるけれど、弓引きの順番自体はこんな感じ。

さて、6人目の弓子が2巡目の弓引きを終えるといよいよクライマックス。使い頭と汐張りによる、先ほどよりも長い口上、本口上と呼ばれる呼び込みが行われます。こちらは時事ネタや、家族の名前などが出てきてなかなか笑える内容になっていました。 

本口上が済むと、再び1人2本ずつ矢を射ります。残りの矢の数が少なくなってくるにつれ、会場の一喜一憂が大きくなっているように感じました。最後の一人はすごく大事な役割で、なんとしてでも当てなければならないのですが、ここまで1度も当てていません。緊張の瞬間です。最後の矢は、わたしの目には的の少し下に落ちたように見えたのですが、矢取りの親は棒を振っています。最後の最後は必ず「当たる」ようになっているのかも知れませんね。

行ってよかった

初めて答志島以外の離島の祭りを見ましたが、とっても楽しかったです。独特な雰囲気があって、アットホームで。説明が無いと分からないことだらけだけど、菅島の人たちは親切な人ばかりで、色々なことをおしえてくれました。行く前は、もっと観光客やカメラ小僧なんかがいるのかな、と思っていたのですが、わたしが見ていた限りそういう人は1人もいませんでした。でも祭り好きな人や、土着の文化に関心のある人なんかにはたまらない感じだし、十分観光資源になるのではないかなー、なんて、地域おこし協力隊としては考えちゃいます。